スミスリンLシャンプータイプ
スミスリンパウダーのご注文はこちら



NHK きょうの健康    ご注意 アタマジラミ

九段坂病院皮膚科医長  大滝倫子

7月26日(月)放送〔再、7月27日(火)〕 アタマジラミ

☆幼児や小学校低学年の児童に、多く発生しています。

☆後頭部や耳の後ろのしつこいかゆみは要注意。

☆治療は発生した集団で一斉に行うのが効果的です。

 

現状 2年ぐらい前から発生が増えている


最近、幼稚園などで「アタマジラミ」が集団で発生して問題になっています。このシラミは、昭和20年前後には、日本のどこにでもいたものです。
第2次大戦後、日本にやってきた進駐軍が、アタマジラミと同じ仲間のコロモジラミが発疹チフス(*1)を媒介するというので、これを退治するために、有機系塩素の粉薬、DDTを大量にまきました。それが功を奏して、昭和20年代の終りから昭和40年代にかけての日本では、コロモジラミ、アタマジラミともにほとんどいなくなっていました。
ところが、海外との交流の機会が増えた昭和40年代半ばから、いろいろな経路で外国からアタマジラミが持ち込まれ、50年代になって増えてきました。しかし、戦後に使用したDDT( *2)には、いろいろな弊害があることがわかりわかり、製造販売が禁止されていたので、シラミに効く薬がない状態でした。そこで、厚生省の行政指導によりつくられたのが、ピレスロイド系(*3)のフェノトリンという粉薬で、現在製造販売されているのはこの1種類だけです。

  この薬は、昭和57年の発生と同時に大量に売れ、その後少しずつ減っていましたが2年ほど前から急に需要が伸びており、アタマジラミの発生が増えていることを示しています(下図)

 

急激な発生の後、緩やかに減っていたものが再び増えています。薬剤は1種類のみなので、売り上げと発生数は比例していると考えらます。

アタマジラミは、成虫の体長が2.5     

3.5mmの昆虫で、主に髪の毛に     

寄生します。一般に、卵からかえっ

て幼虫となり、脱皮を繰り返して成 

虫になり、卵を産むまでを生活環境

といいます。アタマジラミの場合、

この生活環の期間が大体1ヶ月弱 

です。そして、成虫の雌が卵を産む 

期間が一ヶ月、その間、一日に3~9

個ぐらい産みますから、1ヶ月で平  

均100個程度産むといわれています。

 アタマジラミと種類は違いますが、“ケジラミ”というシラミは、性行為によってうつり、主に大人の陰毛に寄生します。このケジラミが毛布や抜け落ちた体毛についていて、それが頭に寄生することもまれにあります。どちらのシラミも血を吸って生きており、駆除には同じフェノトリンを使います。

 

感染経路 髪の毛の接触によってうつる

  アタマジラミは、髪の毛の接触によってうつるので、子どもたちが体や頭を寄せて遊ぶ場所、幼稚園、保育所、小学校の低学年といった集団でうつることがほとんどです。

  集団の場で感染して、家で兄弟にうつることもあります。また、気をつけなければならないのは、子どもと接触する機会の多い母親にうつることことです。せっかく子どもが治ったのに、まだかゆがるのでよく調べると、母親に寄生していたということがあります。

  そのほかに、塾やスイミングスクールで感染することもあります。シラミは水の上に浮きながら半日ぐらいは生きているので、スイミングスクールの場合、水中でうつることも考えられます。

  また、ロッカーや脱衣かごに衣服を脱いだとき、シラミが落ちて、ほかの子どもがそこに衣服を置くと、うつることこともあります。

  アタマジラミは、人から離れても条件がよければ3日ぐらい生きています。人の髪から離れるとすぐ死ぬというわけでもないので、衣服やシーツなどもよく洗うアイロンをかけるなどして駆除の一助にするとよいでしょう。

 

症状 かゆみがひどく、おできやとびひになることもある

  コロモジラミは発疹チフスを媒介しますが、アタマジラミはそういった病気は媒介しないといわれており、症状はかゆみだけです。

  寄生する場所としては、後頭部や耳の後ろが多いので、子どもがそういうところをかいていたら、シラミがいるのではないかと考えて、身近にいる親や教師が念入りに点検してあげましょう。

  かゆみが強いので、かき傷から細菌感染を起こし、「おでき」や「とびひ」(*4)になることもありますし、ひどいときは、かき壊して湿疹化することもあります。いずれの場合も治療が必要になります。

  最近はよく洗髪をするせいか、以前のように髪の毛に成虫がたくさんついているということはあまりなく、むしろ卵でシラミが寄生しているのを発見することが多くなりました。

 

 

 

右写真の@はアタマジラミの卵の顕微鏡写真です。大きさは0.5mm×0.3mm、肉眼では白い点が髪の毛についているといった感じです。Aは虫が孵化して出でくる寸前のところ、Bは虫が出てしまった抜け殻ですが、このように抜け殻になってしまうと、無害で治療の必要はなくなります。しかし、卵はセメント様物質というもので、しっかりと髪の毛に固着しているので、抜け殻も洗髪くらいでは落ちず、シラミと間違えて薬剤を使い続けることがありますから、注意が必要です。

卵と間違えやすいものに、フケとヘアキャストがありますが、フケは、手で払うと簡単に落ちるのですぐわかります。ヘアキャストは、毛を取り巻いて鞘状についたフケの一種です(C)。指でそっとつかんで上下に動かすと、動くので卵と区別ができます。

卵かどうかわからないときは、皮膚科の医師に顕微鏡で調べてもらうとよいでしょう。

 

治療 薬剤の使用法を守り、集団で一斉に行う 

  治療はフェノトリンを頭全体にくまなく散布し、タオルなどで髪を覆って、1~2時間おいてからシャンプーで洗い流します。

  アタマジラミは孵化するのに約一週間かかります。フェノトリンは成虫や幼虫には効果がありますが、卵には効かないので、この散布と洗髪を二日おきに3~4回繰り返して、孵化した幼虫を全滅させます。

  早く治すには、3~4日毎日薬を散布し続ければよいと思いがちですが、それでは散布後に孵化した分は駆除されないので、効果はありません。

  また、粉薬ですから、喘息などの持病がある場合には吸い込まないように注意します。

 薬のほかに髪の毛を切る方法もありますが、非常に短くしないと効果がないので、男の子でしたら、剃ってしまうのがいちばんです。

  アタマジラミは、集団で発生することが多いので、治療も集団で発生することが多いので、治療も集団で一斉に行わないと効果がありません。一人でも残っているとそこからまた広がってしまいます。

  駆除後、確実にいなくなったかどうかは、皮膚科の医師に診断してもらうと安心です。

 

  (*1)発疹チフス・・・法定伝染病の一つで、40度前後の高熱と激しい頭痛があり全身に細かな赤い発疹が出ます。重症になると、不眠、耳鳴り、難聴などの脳症状を伴います。今ではあまりみられません。

  (*2)DDT・・・・・  有機塩素化合物の殺虫剤で、第二時大戦後から害虫駆除に使われましたが、土壌内の残留毒性が問題になり、日本では1971年から 製造販売が禁止されています。

  (*3)ピロスロイド系・・殺虫剤のうち、除虫菊から抽出されたものと、人工的に合成されたものを合わせてピレスロイド系といい、これらは人間に対しては毒性が低く、殺虫剤にはすぐれています。

  (*4)とびひ・・・・・・ぶどう球菌や連鎖球菌の感染が原因で、皮膚が化膿する病気です。水泡になるものと、厚いかさぶたができるものととがあります。いずれも、分泌物が他の皮膚につくとすぐ伝染します。

 

 

人に寄生するシラミ

次の3種類があります。

・アタマジラミ  体長2.5~3.5o、頭部のみに寄生し、すばやく動きます。

・コロモジラミ  体長3~4o、アタマシラミと同形。肌着に付着生活し、頭               には寄生しません。発疹チフスを媒介します。

・ケジラミ    体長1.2~2o、主として陰毛に寄生しますが、眉毛やまつげに寄生することもあります。ほとんど動きません。

 

治療法

 薬剤(フェノトリン)

頭全体にくまなく散布し1〜2時間後に洗い落とす。2日おきに3〜4回同じことを繰り返す

 髪をきる

   かみそりで剃るくらいにごく短くする

 

 

プロフィール&メッセージ

 大滝倫子(おおたき・のりこ)

  昭和38年横浜市立大学医学部卒業。平成3年より現職。専門は皮膚科学、特に動物性皮膚症

     「最近は、塾やいろいろな習いごとなど、複数の集団に属する子どもが増えたため、学校や幼稚園以外の、習いごとの集団で感染することも多くなっています」

     「シラミは発生した集団で一斉に駆除しなければ効果がありません。学校に報告すると、子どもがいじめにあうからと、家族だけで駆除する場合もあるようですがこれではいつまでたってもシラミはなくなりません。不潔にしているからとい先入観を捨て、蚊に刺されたのと同じと考えて駆除することが大切です」

     「おふろに入ったときや髪を洗うとき、お母さんが子どもさんの頭を点検してあげるとよいでしょう」

 

九段坂病院 〒102 東京都千代田区九段南2−1−39


 

アタマジラミの現代の盲点  〜昔は髪を切り・・・現代は新薬〜 (スミスリン資料)

 

正しい知識で早期一斉駆除

特別県談

再点検・国際化時代の環境衛生とシラミ感染

 戦後完全に日本からいなくなったといわれていたシラミだが昭和50年代にアタマジラミの集団発生が起こり、その後いっとき減ったものの、再び各地で発生を繰り返し、今、依然として減ることもなく子どもたちの間で発生しているという。シラミ感染に関する誤解から生じる差別や、感染を隠そうとする態度が完全駆除を難しくしているという現状や有効な治療法などについて、文部省体育局体育館で神戸大学教授の石川哲也、九段坂病院皮膚科医師の大滝倫子、神戸大学医学部医動物学教室非常勤講師で学校薬剤師の田中正郎の三氏が話し合った。

昭和50年代初めから発生ほぼ横ばい

 石川  昭和50年代の初め、海外との交流が深まってくるにつれて、アタマジラミは日本各地で発見されるようになりました。厚生省の統計によると、近年は

     一年に千件くらいの発生が報告されており、ここ十年くらいは横這いの状態が続いているようですが、実態はよくわからないというのが正直なところだと思っています。アタマジラミの発生の現状はどうなのでしょう

 大滝  私の経験ですと、アタマジラミを一番最初に見たのは昭和50年代の初めでしょうか。当時は駆除薬もなかったので大騒ぎになりました。スミスリンパウダーというアタマジラミ用の駆除薬が発売されたのが81年(昭和56年)ですが、その後アタマジラミの発生はつるべ落としのように激減しました。

     88年、89年ごろに最も数が少なくなりましたが、その後再びぼつぼつと増え始め、今も減ることはなく横這い状態で続いているというのが我々臨床医の実感です。

 石川  学校での状況はいかがでしょうか?

 田中  学校では養護教諭が中心になって、注意をしているようですが、実はある学校でアタマジラミが集団発生しているというような情報はなかなか伝わってこないのです。アタマジラミの発生が認められても、隠そうとする場合が多いのですね。熱心な先生がいらっしゃると、子どもの頭を調べたり、親向けに啓発をしたりしているようですが。ただいまのアタマジラミは我々が知っているシラミと違ってあまり痒くないようですね。昔はとにかく痒くて、ボリボリかくのですぐ分ったのですが。

 大滝  それは寄生している数の問題で、昔は髪を櫛ですくと塊のようにジャーと落ちたくらいですが、このごろは1人の頭に付いているのはいくら多くてもせいぜい10匹くらいです。痒みは、シラミの唾液に対するアレルギーが成立したときに初めて生じます。だからある程度の期間寄生して、吸血し、唾液が皮膚の中に入り抗原として認識されて初めてアレルギーが起こるわけです。

     ケジラミで調べたところでは寄生してから1,2ヶ月、場合によっては半年くらいは痒くないんですね。今の子がアタマジラミが付いてもあまり痒がらないというのは、寄生数が少ないという証拠ですね。

 

シラミ3種 それぞれ特徴

 石川  シラミは大別すると、頭に付くアタマジラミ、衣に付くコロモジラミ、性病的な扱いになるケジラミの三つの種類があります。それぞれどんな特徴がありますか。

 大滝  アタマジラミはもっぱら頭髪に付き、そのほかのところは寄生しません。コロモジラミは衣類にとどまり吸血するときだけヒトの皮膚に付くという特徴があります。ケジラミはいわゆる性感染症のひとつで、陰毛、まつげ、眉毛に寄生しますが、女性と子どもの場合は頭髪にも寄生します。男性の頭髪には寄生することが少ないのですが、それは男性が使うアルコール性整髪料を嫌うのではないかと思われます。ひょんなところで、アタマジラミではなくケジラミが児童の間で集団発生したということも過去にはありました。

 田中  どうもプールが始まると、アタマジラミが爆発的に増えるようだと養護教諭が言うのですが、そういう例が多いのですか。

 大滝  確かにプールが始まる時期に集団発生の報告が多いようですが、プールの水からシラミが検出されたという報告はありません。水に落ちたアタマジラミは丸一日は生きていますが、それが原因で次々に子どもの髪に付いたという証拠はありません。ただプールの時は子どもたちは頭を寄せて互いにしがみついたり、じゃれたりすることが多いのでそうやってうつる可能性の方が多いと考えられます。それとその時期になると、キャンプや合宿など一緒に寝泊りをする機会も増えますから、うつるチャンスも多くなるわけです。

 石川  プールの更衣室でタオルを一緒に使ったりしてうつることが多いのでしょうね。われわれの長い経験でも、プールの水を媒介にしてうつることはほとんどないのではないかと思います。

アタマジラミ 現代の盲点

 どんな処置をとるか対応にも区別

  石川  実は16年くらい前、私の子どもにアタマジラミがいたことがあります。3           人の子どもの頭に合計5、6匹でしょうか。数は少なかったものですから、シラミを取って、卵や卵の抜け殻の部分を切り取り、そのあと一週間くらいは気をつけてよく頭を洗ったりしましたが、シラミが発生したあとどういう処置をすればいいのでしょうか。

  大滝  シラミだといって来る患者さんにわれわれが何をするのかと言うと、まず本当にシラミなのかを調べます。卵状に見えて間違いやすいのはヘヤキャストです。またアトピー性皮膚炎や皮膚に傷害がある人はフケ状のものが髪に付きやすく、それをシラミの卵だと思いこんでいるむきもあります。

本当に卵なのか卵だったら、アタマジラミなのか、ケジラミなのかを区別します。というのは、アタマジラミであったら子どもの所属している学校なり幼稚園、保育所での集団発生ですから、その集団を治療の対象としなくてはいけません。ケジラミであれば、それは家庭の問題であり、父親、母親、兄弟を治療の対象としなくてはいけないので、その区別をキチンとします。もしシラミを見つけたら、髪の毛を切るのが一番いいのですが、五部刈りでは駄目で五厘刈りなら大丈夫だというデータもあります。頭の毛をツルツルに刈ってしまえば、卵も毛と一緒に除かれますので薬もいりません。もう一つワセリンをべったり塗って窒息死させるという方法もあります。手軽な駆除薬がなかった時代の方法ですね。普通のシャンプーでは、生み付けた卵まではとれませんし、幼虫も100%とれるとは限りません。

  大滝  今はいいシラミの駆除薬が出ていますので、それをきちんと使えばすぐ治り

      ます。アタマジラミは恐れる病気ではありません。以前は頭を粉だらけにし                て一時間置く、スミスリンパウダーという粉剤のものしかありませんでした。これは、ぜんそくやアトピー性皮膚炎の子には非常に不都合がありましたが、最近シャンプー状の液剤が出たので駆除しやすくなりました。普通のシャンプーのように付けて五分置けばいいのです。私の病院でも治験で使いましたが、パウダーと効果は変わりませんでした。使いやすくて、アタマジラミだけでなくケジラミなどにも具合が良かったですね。また、殺シラミ効果だけでなく殺卵効果もあるようです。

  田中  一週間から、長くても十日くらいで完全に駆除できるのですね。

 

 3日ごとに4回シャンプーで完全駆除

  大滝  シラミが卵を産む期間は1ヶ月で、一日に三から九個くらい産みます。メスの成虫が髪に付いたことを知らずに過ごせば、一ヶ月で百個余りの卵を産み付けるということになります。卵は一週間から十日で孵化します。だから、三日ごとに四回スミスリンでシャンプーをすれば完全に駆除できることになります。毎日三日間使ったのにシラミがいなくならないと言ってきた人がいましたが、当り前です。それでは、四日後に卵からかえった幼虫が駆除できないのです。効能書通りにきちんと使うことが第一ですね。

      万が一、アタマジラミの発生を見つけた場合、それを学校に言っていいものかどうか、悩むことがあります。へたに学校に伝えると、その子だけにシラミがいるように思われていじめの対象になる場合もあるからです。学校でうつしているのですから、学校で一斉に駆除なり治療をしなくてはいけないのです。そういう体制がどうも整っていないのではないかと思うことがあります。実際に、あそこの幼稚園はシラミが発生したと言われると経営上差し触るから絶対に口外するな、と園長先生に言われたこともあります。これも困ったことです。

 

アタマジラミ一日に3〜9個 1ヶ月で100個余り産卵

後手に回る事情

  田中  シラミがいた子を登校させなかったり、いつまでもプールに入ることを禁止したり、そういう間違った扱い方をしている学校が実際にあるのも事実です。学校でも、もっと正しい知識を持ってほしいですね。

      アタマジラミは決して不潔にしているからうつるのではありません。感染症ですら、風邪と同じように対応しなくてはいけないということを徹底するべきです。

  石川  しかし、シラミがいる子どもは、必ず駆除してからプールを使うということは大切だと思います。戦後、シラミは日本から全くいなくなったといわれた時期がありましたが、それは、徹底的にDDTをまいたからです。

  田中  本当に、頭から背中から、着ているものの中まで真っ白に振り掛けられましたね。今の発生は散発的ですから、そこまで徹底的にはやりにくいでしょうが、でもやはり学校で集団発生した場合は、一斉に駆除をしたほうがいいのではないですか。薬はわりと高価なものなので個人個人で薬局で買いなさいというのではなく、学校が一括購入して渡してあげるようなことができるといいかもしれないとも思うのですが。

  大滝  もちろん、日ごろからの親への啓発と同時に、発生した場合には一斉検診、一斉駆除が大切ですが、最近の傾向としては、わりと隠そうとするものですから完全に駆除できずに、こっちが治ってもまたあっちというように、平行感染がけっこう多いのです。

      このごろの子どもは、学校以外にも参加している塾や水泳、お稽古などの集団がありますから、学校単位だけで気をいても駄目で、ある程度の地区単位で、学校や医者などいろいろなグループが協力しあって検診や駆除を行う必要があるかもしれません。でも学校の対応を見ていると、せいぜい養護教諭の先生がお知らせの紙を配って親に注意を促す程度です。それでも啓発しないよりはしたほうがずっといいのです。

 

 

発疹チフス媒介も 頭掻いたら入念に見よう  コロモジラミ

 外国から持ち込み潜伏また発生

  石川  シラミの害というと、痒いのでかきむしって菌が付いて、とびひやおできになると言うことだけですか。

  大滝  一般的にはそうですが、コロモジラミは発疹チフスを媒介します。日本には今のところ発疹チフスはありませんからその心配はないのですが。

      一度すっかり日本からいなくなったシラミは、昭和50年代に外国から持ち込まれたと考えられますが、その流行のきっかけになったのは、大きな大使館のあるような住宅地からです。特にアタマジラミは、ヨーロッパやアメリカなどに家族連れで赴任していた子どもたちの頭について一緒に日本にやってきて、当時日本にはシラミ駆除薬がなかったために、急速に幼・小児の間に感染が及んだと思われます。

  田中  海外赴任の機会のある家庭は特に気をつけるということも大切です。それと今、海外からたくさんの就労者が日本に来ていますが、アパートの一室に何人もが一緒に生活をしていたりシラミの発生源になっていると指摘している先生もいます。発疹チフスのある国から来ている人たちも皆無ではありませんから、案外盲点になっているのではないかと思います。

  大滝  そういう新たに持ち込まれたシラミが増えているということもあるかもしれません。しかし、むしろ以前入ったシラミが連綿としてどこかで生き続け、10年ぐらい前の流行はもうすっかり忘れてしまってシラミに対する知識が薄くなったところで、小さな集団発生があちこちでまた増えてきているということもいえるのではないでしょうか。

  石川  アタマジラミの場合も早期発見、早期治療が一番大切です。どの地域でも、どの家庭でも起こりうることですから、子どもが頭を掻いていたら親は少し入念に頭を見てあげることです。シラミかどうか分らなければ、医者の所へ行って調べることです。今の親はシラミもノミも見たことがない、知らない世代ですから、親になる前に学校教育で教えるべきかもしれませんね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

シラミ駆除医薬品

スミスリンLシャンプータイプ   製品の概要

平成10年9月

住友製薬ヘルスケア株式会社

1.シラミについて

  人間に寄生するシラミはヒトジラミとケジラミの2種類、さらにヒトジラミは形態とすみかの多少の違いからコロモジラミとアタマジラミの2種に分類されます。

 シラミは寄生特異性が強い昆虫で、人のシラミは人間だけ、サルのシラミはサルだけを吸血します。すなわち犬のシラミが人間に寄生することはありません。

 また、シラミは成虫の雌雄と卵からかえった直後の幼虫も吸血しますが、血液依存性が強く、卵から孵化後、成長や生殖のための栄養源をすべて血液に頼りきっています。また、ノミやナンキンムシに比べ1日数回吸血しますが、1回吸血量が少ないので人から脱落すると2〜3日で餓死してしまいます。シラミは翅がないことと肢の先が爪に変化しているため移動性は極めて低く、アタマジラマで1時間に20cm程度という観察があります。

 

シラミが受精後約1ヶ月間少しづつ卵を産む理由のひとつは新しい宿主にめぐり合って新天地を開くためであろうと考えられます。このシラミが1〜2匹うつれば、新しい宿主(人)の髪に数十個の卵を産みつけます。

成虫になるとすぐ交尾して卵を産みはじめ、移動しながら毎日、少しずつ産むので、感染に関しては交尾後の雌が問題となります。すなわち受精卵を持った1〜2匹の雌のシラミがうつったら1ヶ月後のある程度の数に達した時点で、はじめてかゆみを生じることが多いようです。この潜伏期間の間に親、兄弟にもうつっていることが多く、学校の場合、ひとクラスに何人もいもずる式に感染がみつかることが多いようです。

子供が耳の後ろや後頭部を無意識にかいていたらシラミを疑ってみることが必要です。親虫や幼虫がみつからず、卵だけしかみつからない場合でもシラミ症の診断は確定します。シラミの卵はふけと混同し易いものですが、次のように鑑別できます。即ち、ふけは手で払えば簡単に落ちますが、卵は毛にセメント様の物質でしっかりくっついていて、孵化後も卵柄(卵を毛にくっつけている部分)は洗髪しても髪に残ってなかなか取れません。かなり大きいので、卵がいつまでもくっついていると感ちがいしてしまうことがあります。生きている卵は充実感があり、指の爪で挟んでつぶすとプシュとつぶれます。

なお、シラミの卵と似ているものにヘアキャストがあります。ヘアキャストは手で払っても落ちず、白くて髪の毛に巻き付いているので一見してシラミの卵と取り違えられやすいものですが、指でつまんで毛先に向かって引くとスーと抜けるので鑑別できます。ヘアキャストは、アトピー性皮膚炎の患者や、過剰な洗髪を行った場合にみられるといわれています。いずれの場合でも正確な鑑別のためには、その毛を切り取って、皮膚科の医師に持参して検査してもらうのがよいでしょう。

アタマジラミが毛から脱落したものについては、シーツに落ちた虫はシーツを洗濯すれば虫体が除去できます。床やタタミに落ちたものは電気掃除機で取り除けばよく、熱湯に漬ければ卵まで含めて1分以内にすべて死滅します。100℃の蒸気では、15分間程度処理すると完全で、乾燥機による乾熱処理の場合70℃で10分、55~60℃では30分間で死滅効果があるといわれています。

 

 表1

 

 

ヒトジラミ

 

ケジラミ

アタマジラミ

コロモジラミ

寄生部位

頭髪

普段は着衣のひだや折り目にひそみ、産卵する。

吸血時にのみヒトの皮膚につく。

おもに陰毛

ときに腋毛など

 

 

 

親虫の形態

3対(6)の脚をもち、それぞれの先端に細い爪がある。

 

後2脚の爪が大きい

卵  円  型

丸い(カニににている)

体長は1~2o

灰褐色−灰黒色

成虫の体長は2~4o

灰白色-灰褐色-灰黒色

成虫の体長は2~4o

白色−灰白色

灰白色の楕円形で0.5×0.3o

ヒトジラミより少し丸っぽい。

0.8×0.5o陰毛にセメント物質で固着。気孔突起は大きく隆起。

毛髪にセメント物質で固着

衣類の繊維にセメント物質で固着

ライフサイクル

約7日間で孵化し、3回脱皮して2週間前後で成虫になり交尾して雌は産卵をはじめる。

1日3~9個の卵を約1ヶ月間、合計約200個うむ。

1日3~8個の卵を1~1ヶ月半、合計

200~300個うむ。

1日2〜3個の卵を3~4週間、合計30~40個うむ。

感 染 経 路

頭髪と頭髪との直接接触でうつる。

皮膚から皮膚、または、衣類を介してうつる。

性行為時にうつる。

 

 

 

 

アタマジラミ    ケジラミ       アタマジラミ    ケジラミ

     図1 シラミの成虫           図2 毛に産卵された卵    

 

2.原薬(スミスリン:フェノトリン)の安全性

1)スミスリン

一般名:    フェノトリン(Phenothrin

化学名:3-フェノキシベルジンd-シス/トランス-クリサンテマート

   (3-phenoxybenzyl-d-cistrans-chrysanthemate

構造式:

 

 

 

         フェノキシベンジンアルコール    菊 酸

 

   分子式・分子量 : C₂₃₂₆350.46

   物理化学的性質 性 状: 微黄色〜黄褐色澄明な油状の液体で、わずかに特異なにおいがあります。

           比 重: 1.0620℃)

           溶解度: 水にはほとんどとけない。

 

2)スミスリンの毒性試験

(1)   急性毒性

   スミスリンを各投与経路について単回投与試験を行ったが、マウスでの

経皮投与を除きいずれの試験でも、LD₅₀値は10,000mg/Kg以上でした。(表3)         

      

表3  スミスリンの急性毒性

投与経路

LD₅₀値(mg/kg)

マウス(♂or♀)

ラット(♂or♀)

経  口

皮  下

経  皮

腹  腔 

 

10,000

10,000

5,000

10,000

10,000

10,000

10,000

10,000

(2)   慢性毒性

     ラットに6ヶ月間スミスリン1,000~10,000ppm1~10mg/mL)含有した飼料を摂取させた連続投与試験で、成長曲線、一般症状(飼料摂取量および摂水量など)、臓器重量、血液検査、尿検査、病理組織学的検査を行った結果、スミスリンの最大無作用量は2,500ppm2.5mg/mL)で、最小中毒量は5,000ppm5mg/mL)でした。

(3)   吸入毒性

  (a)急性吸入毒性

     マウス及びラットにスミスリンのケロシン溶液をアドマイザーで4時間噴霧した時の50%致死スミスリン濃度(LC₅₀)は1180mg/以上でした。

  (b)亜急性吸入毒性

     マウス及びラットにスミスリンのケロシン溶液をアトマイザーで噴霧し、1日4時間、週6日、4週間暴露した時の無影響スミスリン濃度はラット、マウスとも試験で用いた最大濃度210mg/㎥以上でした。

(4)   催奇奇形

  (a)妊娠マウスにスミスリンを毎日1回、30、300、3000mg/kgを妊娠7日目から12日目までの6日間経口投与し母体及び胎仔に及ぼす影響と胎仔の生後観察を行いました。その結果、スミスリンはマウス胎仔のおよび新胎仔に対して催奇奇形をもたないと考えられます。

  (b)妊娠ウサギにスミスリンを毎日1回10100、1000mg/kgを妊娠6日目から18日目までの13日間、胃挿管法で投与し、母体及び胎仔に及ぼす影響を観察しました。その結果、対照群に比較して有意な差はなく、ウサギ胎仔に対して催奇奇形をもたないと考えられます。

(5)   皮膚粘膜刺激性

     ウサギの皮膚及び眼粘膜に対する刺激性試験では、特記すべき変化は全

     く認められませんでした。

(6)   アレルギー性

     モルモットを使用し、2,4dinitrochlorobenzeneを陽性対照としてスミスリンの皮膚アレルギー性試験を実施した結果、スミスリン5%溶液を皮内注射して感作したモルモットについて皮膚反応は認められず皮膚アレルギー性は陰性でした。

3)一般薬理試験 

  モルモット、ラット、ネコ、イヌを用いて呼吸、血圧、末梢神経系に及ぼす影響を調べた結果、特記すべき薬理学的作用は全く認められませんでした。また、マウスを使用した試験でも、中枢神経系に対する作用(抗痙れん、筋弛緩、鎮痛などの作用)は認められず、協調運動、自発運動、hexobarbital催眠時間にも影響を与えませんでした。       

 

4)体内薬物動態

   C¹⁴で標識したスミスリンのラット体内での代謝に関する試験で、200mg/kgを経  

  口投与し、C¹⁴化合物の尿、糞、呼気中への排泄と脳、肝、腎、血液中への分布を

調べましたが、スミスリンは消化管よりすみやかに吸収されて各組織へ分布しまし

た。なお、肝、腎などに分布した¹⁴は投与3時間後に最高濃度に達し、それ以後

急激に減少し、24時間後では分解代謝物も含めてごくわずかに残存するだけでし

た。C¹⁴は、24時間後に95%、48時間後は、100%が体外に排泄されました。

この時¹⁴化合物の57%は尿中、43%糞中に排泄され、呼気中には¹⁴は全く

検出されませんでした。

 

3.スミスリンLシャンプータイプの安全性(毒性試験)

1)急性毒性試験

ラットおよびマウスの経口及び経皮投与における50%致死量(LD₅₀)は、いずれも本試験の最大投与量の2,000mg/kg以上と推定されました。(表4)

 

表4 スミスリンLの急性毒性試験一覧表

 

動物種

(♂・♀)

投与経路

 

投 与 量

 

 試 験 結 果

 

ラ ッ ト

経 口

2000mg/kg

致死量

  2000mg/kg

以上

マ ウ ス

経 口

2000mg/kg

ラ ッ ト

経 口

2000mg/kg

マ ウ ス

経 口

2000mg/kg

 

 2)皮膚感作性試験(モルモット)

   モルモットを用いて、Maximization法による皮膚感作性の有無を検討した結果、一次感作(1回皮内投与)試験および二次感作(一次感作7日後に48時間リント布に含ませて閉塞投与)試験において、いずれも皮膚反応はみられませんでした。

3)刺激性試験(ウサギ)

  ウサギを用いて単回投与にする皮膚および眼に対する刺激性を検討した結果、皮膚での反応はみられず皮膚に対する刺激性は極めて低いものと考えられます。一方、眼に対しては軽度の刺激性がみられましたが、投与後の時間の経過とともに軽減し、投与72時間後に反応は消失しました。

 

4)損傷皮膚刺激性試験(ウサギ)

ウサギの損傷皮膚および正常皮膚への刺激性を単回投与で検討した結果、いずれにもごく軽度の刺激性が認められましたが、皮膚の状態による差は認められませんでした。また、ウサギの損傷皮膚および正常皮膚へ一日10分間閉塞貼付を2週間行った試験において、皮膚への累積刺激性は認められませんでした。

5)皮膚刺激性試験(健常成人)

健常成人29人を対象に皮膚刺激性試験(20分 closed patch test)を検討した結果、スミスリンパウダー、白色ワセリンとともに本剤の皮膚刺激指数は0であり(表5)、その他問題となる症状はなく、本剤の皮膚刺激性の低いことが示唆されました。

 

表5 スミスリンLの皮膚刺激指数一覧  

試  験  試  料

 

皮膚刺激指数(%)

20closed patch test

1.スミスリンLシャンプー 希釈なし

2.スミスリンLシャンプー 3培希釈

3.スミスリンLシャンプー 10倍希釈

4.スミスリンLシャンプー 基剤希釈なし

5.スミスリンLシャンプー 基剤3倍希釈

6.スミスリンLシャンプー 基剤10倍希釈

7.スリンパウダー

8.白色ワセリン

      0

      0

      0

      0

      0

      0

      0

      0

 

       皮膚刺激指数=(スコアの総和)/(被験者数)×100

 

4.スミスリンLシャンプータイプの効力試験

1)フェノトリン濃度別効果(製剤の濃度決定のための試験)

フェノトリン濃度0.10.20.4%のシャンプー剤を水で3倍希釈し、10秒間侵漬後5分間放置後水洗し、コロモジラミに対する殺虫・産卵効力を検討した結果、成虫に対してはフェノトリン濃度0.2%以上で高い殺虫効果が認められ(図3)、また卵に対しては、0.4%において卵からの孵化幼虫に対する吸血阻害効果が認められました(図4)。

 

 

図3 コロモジラミ成虫に対する効力試験結果  ※試料の3倍希釈水溶液による

                        死虫率(接触時間5分間)

 

 

図4 コロモジラミ卵に対する効力試験結果  ※試料の3倍希釈水溶液による

                      孵化率及び孵化幼虫の吸血率

(接触時間5分間)

 

 以上の試験結果から、実用上十分な殺虫効果と孵化幼虫に対するある程度の吸血阻害効果を得るためには、フェノトリン濃度0.4%が適当と考えられます。

 

2)効力試験

(1)   試験方法 国立予防衛生研究所(現・国立感染症研究所)で効力試験が表6の方法によって実施されました。

表6 スミスリンLの試験方法

    項        目

国立予防衛生研究所

試  料

スミスリンLシャンプータイプ

スミスリンLシャンプータイプ基剤

2、3、6倍希釈液

同   上

対  象

コロモジラミ成虫

コロモジラミ卵

   羽化後 6日齢

   産卵下後 3日齢

試験方法

浸漬時間

成虫

保存条件

試験回数

 成虫、卵ともに10秒間

 2.5510分放置し水洗い

 2.5510分放置し水洗い

成虫、卵ともに30

2回繰り返し

調査項目

成虫:24時間後の死亡率

卵:4~5日後の死亡率、孵化率、孵化幼虫の24時間内の吸血率、未吸血率、死亡率

 

(2)試験結果

@     シラミに対する効力試験結果(図5)

成虫に対してスミスリンLシャンプータイプは2倍希釈濃度、5分間接触により90%以上の殺虫効果が得られました。3、6倍希釈でもほぼ同様の結果が得られました。

 

 

 

1群30匹のコロモジラミ成虫を茶濾しボールに入れ、試験液に10秒間浸漬後引き上げ、5分間放置後水洗いし、24時間後の死亡率(%)を観察した。

 図5 シラミに対する24時間後の殺虫効果(接触時間5分)

A     シラミに対する効力試験

卵に対してスミスリンLシャンプータイプは2倍希釈濃度、5分間接触において孵化率は33.8%(66.2%の殺卵効果)でしたが、さらにその卵から孵化した幼虫の吸血率は1.3%(98.7%の吸血抑制効果)でした。したがって試供卵全数に対して孵化後吸血した幼虫は1%未満でした。

図6にシラミ卵に対する殺卵効果を、図7には孵化幼虫の吸血抑制効果

(未吸血率+死亡率)を示しました。

 







 

図6 シラミ卵に対する殺虫効果(接触時間5分) 

コロモジラミ卵を茶濾しボールに入れ、

試験液に10秒間浸漬後引き上げ、5分

間放置後水洗いし、殺卵率(%)を観察

した。(殺卵率=100−ふ化率)

 

 

図7 孵化幼虫の吸血抑制効果(接触時間5分)

 コロモジラミ卵が産卵された黒色サラン

ネットを茶濾しボールに入れ、試験液に

10秒間浸漬後引き上げ、5分間放置後水

洗いし、孵化24時間後の幼虫の吸血制御

率(%)を観察した。 

 

以上のようにスミスリンLシャンプータイプは2倍希釈濃度、5分間の接触において成虫に対する十分な効力を示しました。また卵に対しても、殺卵効果とともにその卵より孵化した幼虫に対する吸血制御効果があり、これらの効果を考慮すると、吸血による痒みの防止も期待できると考えられます。

以上の試験結果から本剤処理後のすすぎまでの放置時間は5分間で十分であり、また、完全なシラミ駆除を期するためには卵の孵化期間を考慮して3日目毎に1回、3~4回程度の処理が必要であると考えられます。

 

5.スミスリンLシャンプータイプの体内動態

 (人の頭髪に使用した場合の経皮吸収性試験)

  スミスリンLシャンプーについて臨床使用した場合の皮膚からの吸収性について検討   し、併せて頭皮への影響をみました。

 〔投与方法〕

   スミスリンLシャンプータイプ20mLを予め濡らした頭皮に散布し、5分間放置後微温湯で洗い流し、さらに洗髪用シャンプーで1回洗髪し、十分すすぎました。

   3日間隔で3回繰り返しました。

 

 〔検査及び観察方法〕

   自覚症状、他覚所見:1、4、7日目投与前と投与後1及び24時間目

   臨床検査:1日目投与前及び7日目投与後24時間目

   血清中薬物濃度:1、4、7日目投与前、投与開始後0.5、4、8、24時間

 〔試験結果〕

   頭皮の監察結果を含む自・他覚所見、臨床検査項目のいずれにも異常は認められませんでした。血清中濃度は、いずれの時点においてもフェノトリンの検出限界(50pg/mL)以下でした。一方、スミスリンの毒性試験から考えて、検出限界はスミスリンの無作用量を下回ると考えられますので、経皮吸収による安全性への影響はないと考えられます。

   〔注:pg(ピコグラム)=1/1,000,000,000,000(1兆分の1)グラム〕

6.スミスリンLシャンプータイプの臨床試験

   臨床的検討とて表13に示す多施設共同による試験を行いました。対象はシラミ症患者83例(アタマジラミ71例、ケジラミ12例)でスミスリンLシャンプータイプを3日間隔で3〜4回投与し、有効性と安全性を検討しました。

KP-SS研究斑:シラミに対するフェノトリンシャンプー剤(KP-SS)の臨床的効果、西日本皮膚科 58(2)314-318,1996

 この試験において副作用は1例も認められず、臨床検査においても、本剤に関連する臨床検査値の異常変動は認められませんでした。

 また、全般改善度は中等度改善以上93.3%、軽度改善以上98.7%であったことから、スミスリンLシャンプータイプはシラミ症に対し十分な有効性と安全性を有する製剤であると考えられます。

表7 試験施設一覧

東京医科歯科大学           皮膚科 

東京都立墨東病院  皮膚科

国家公務員等共済組合連合会九段坂病院 皮膚科

栃木皮膚科医院

東京医療生活協同組合中野総合病院   皮膚科

小宮皮膚科医院

医療法人財団石心会狭山病院      皮膚科

広瀬皮膚科

日本通運健康保険組合東京病院     皮膚科

山本皮膚科医院

NTT伊豆逓信病院          皮膚科

天王台皮膚科クリニック

済生会川口総合病院          皮膚科

小林皮膚科医院

医療法人協友会東川口病院       皮膚科

折田皮膚科

川口工業総合病院           皮膚科

サノクリニック

横須賀市立市民病院          皮膚科

宮元皮膚科クリニック

総合病院取手協同病院         皮膚科

大川原皮膚科医院

社会福祉法人賛育会賛育会病院     皮膚科

太田皮膚科医院

 

1)使用方法と用量

   シラミが寄生している頭皮又は陰毛をあらかじめ濡らし、スミスリンLシャンプータイプを全体に均等になるようにシャンプーし、5分間放置後、洗い流しました。頭髪には1回10~20mL、陰毛には、1回3〜5mLを用い、3日間隔で3〜4回繰り返しました。

2)効果判定のための検討項目と評価方法

   かゆみ、成虫数、生卵数などを観察しその結果から全般改善度を著明改善、中等度改善、軽度改善、不変、悪化の5段階で判定しました。

3)試験結果

(2)   全般改善度(図8)

全般改善度は、75例中、著明改善49例、中等度改善21例、軽度改善4例、不変1例で改善率は中等度改善以上93.3%、軽度改善以上98.7%でした。また、シラミの種類(アタマジラミとケジラミ)による差は殆ど認められませんでした。

 

図8 スミスリンLのヒトジラミ(アタマジラミ、ケジラミ)に対する臨床試験(全般改善度)

(3)   副作用及び臨床検査値の異常変動

副作用は全例において認められませんでした。また本剤との関連性を疑われた臨床検査値の異常変動は観察されませんでした。

 

7.スミスリンLシャンプータイプの添付文書

日本標準商品分類

87734

ご使用に際しては、必ずこの添付文書をお読みください。

また、必要な時に読めるように保存していださい。

 

外用薬  シラミ駆除医薬品

     スミスリンLシャンプータイプ

          SUMITHRIN L Shampoo−type

 スミスリンLシャンプータイプはシラミ駆除に優れた効果のある医薬品です。

 人体に寄生するシラミは、アタマジラミ、ケジラミ、コロモジラミに分類されます。シラミは皮膚から吸血して、かゆみ、湿疹などを起こします。アタマジラミは、幼稚園児や小学校の間で集団発生する例が全国的に増えています。使用法をきちんと守り、シラミを早く退治してください。

下記のスミスリンQ&Aのコーナーに記載しました効果的な方法をよく読んでご使用ください。

 










      アタマジラミ

体長:2〜4ミリ

感染部位:頭髪

主な感染経路:髪の接触、

ロッカーなどの共同使用

 

       ■ケジラミ

体長:1〜2ミリ

感染部位:主として陰毛

主な感染経路:性行為など

 

〔成分〕

 1mL中フェノトリン(スミスリン)・・・・・・4mg

  添加物としてエデト酸ナトリウム、ポリソルベート80、香料を含有します。

〔効能・効果〕

  シラミの駆除

〔用法・用量〕

  シラミが寄生している頭髪又は陰毛を水又はぬるま湯で予め濡らし、頭髪には10~20mL程度、陰毛には、3~5mL程度を用い、毛の生え際に十分いきわたるように又全体に均等になるようにシャンプーする。シャンプー後5分間放置した後、水又はぬるま湯で十分洗い流す。この操作を1日1回、3日に一度ずつ(2日おきに)3〜4回繰り返す。

〔使用上の注意〕

本剤はシラミ駆除専用の医薬品です。通常のシャンプー等と区別して保管し、頭髪の洗浄の目的には使用しないでください。

1.      次の人は使用前に医師又は薬剤師等にご相談ください。

    今までに薬や化粧品等によるアレルギー症状(例えば発疹、発赤、かゆみ、かぶれ等)を起こしたことのある人

2.      使用に際して、次のことにご注意ください。

(1)   定められた用法、用量を守ってください。

(2)   小児に使用させる場合には、保護者の指導監督のもとに使用させてください。

(3)   頭皮又は適用部位に湿疹、かぶれ、ただれ等の症状がある場合は使用しないでください。

(4)   食品、食器、小児のおもちゃ、観賞魚等にかからないようにしてください。

(5)   本剤は頭髪および陰毛等にのみ使用し、内服しないでください。

(6)   毛に固着した卵や卵のからは、本剤の使用では、除去されません。添付のくし又は目の細かいくしなどですいて、除去してください。

3.      使用中又は使用後は次のことに注意ください。

(1)   本剤の使用により、発疹、発赤、かゆみ、かぶれ等のアレルギー症   状があらわれた場合には、使用を中止し、医師又は薬剤師等にご相談ください。

(2)   使用の際は、目的とする局所以外の人体露出部には、つけないようにしてください。なお、薬剤の使用後、手やくし等は水、ぬるま湯等で洗ってください。

(3)   目、耳、鼻、口、尿道、膣、肛門等に入らないようにご注意ください。万一入った場合には、すぐに水又はぬるま湯で洗ってください。なお、症状が重い場合には、医師の診察をうけてください。

(4)   万一、誤って薬剤を飲み込んだ場合は、直ちに医師の診察を受けてください。

(5)   3〜4回使用しても改善がみられない場合には、使用を中止し、医師又は薬剤師等にご相談ください。

  

4.      保管及び取扱い上の注意

(1)   食品、食器、小児のおもちゃ等と区別し、小児の手の届かない所に保管 してください。

(2)   直射日光をさけ、なるべく涼しい所に密栓して保管してください。風呂場等、湿気のこもる場所には保管しないでください。

(3)   誤用をさけ、品質を保持するため、他の容器に入れかえないでください。

(4)   使用期限(箱及びラベルに記載)をすぎた製品は使用しないでください。

(5)   使用後はキャップをきれいに洗浄し、布等でよくふいた上で確実にしめてください。

(6)   開封後はすみやかに使用してください。

(7)   本剤を冷所に保管した場合、まれに濁りを生じることがありますが、効力に変わりはありません。室温に戻し、よく振ってから使用してください。

(8)   本剤に水道水や他の液剤を混入すると濁りを生じ、効力が変わりますので注意してください。

5.      その他

使用済の空容器等は、適切に処分してください。

 【スミスリンQ&A】

   Q1.:スミスリンLシャンプータイプの効果的な使用方法は?

     (アタマジラミの場合)

@       あらかじめ水又はぬるま湯で頭髪を濡らしてください。

A       本剤を1回量としてキャップの目盛を参考に10~20mLご使用ください。

*頭に振りかける時は目、耳、鼻、口に入らないように注意してください。小さい お子さまの場合はシャンプーハットをお使いになるのも良い方法です。)

B       手やクシで薬液が頭全体にいきわたるようにしてください。

C       頭にタオルを巻くなどして目、耳、口等に入らないようにして、5分間待ってください。

D       水又はぬるま湯で薬剤を十分に洗い流してください。あとは通常のシャンプー又は石鹸、リンス等で洗髪してください。

E       この作業を1日1回、3日に1度ずつ(2日おきに)、3〜4回繰り返します。卵は硬いからにおおわれていて、1週間〜10日でふ化しますから、シラミが卵からかえるのを待って退治する方法をとっています。4回目の使用でちょうど10日目になりますので、効果的にシラミを退治することができます。

   Q2:2日間隔のあいだに卵からかえったシラミが卵を産むことはないのですか?

       ありません。幼虫の期間は、7〜16日です。幼虫は卵を産むことはありません。

   Q3:4回使用したのにまだ卵が残っているわ。どうしたらいいの?

       それは卵のぬけがらです。卵はぬけがらになってもしっかりと毛にこびりついていて、とれにくいので添付の目の細かい「すきぐし」でていねいに取ってあげてください。

       生きた卵は充実感があって、爪ではさんでつぶすとプシュとつぶれます。スミスリンLシャンプータイプを用法通り使用後に、卵と思われるものを爪ではさんでプシュとつぶれなくなり、かゆみもなくなっていれば薬を使い続ける必要はありません。また、卵のからと見まちがい易いヘアーキャスト(フケと脂肪分の固まり)は指でつまんで簡単に取り除くことができます。

   Q4:髪は長い場合切ったほうがいいの?

       シラミは毛根近くにいて、血を吸って生息します。ですから毛の毛根付近に薬がいきわたるようにすればよいので、別に髪を切る必要はありません。

 〔包装〕  80mL

 

8.スミスリンLシャンプータイプ Q&A 

 Q1.効果があったかないかはどこで判断すればいいのですか。また、卵はとれますか。

 A.スミスリンLシャンプータイプには、卵の殻(カラ)を取り除く効果はありませ

ん。1ヶ月くらい白いものが毛に残ってしまします。

生きた卵は充実感があって、爪で挟んでつぶすとプシュとつぶれます。スミスリ

ンLタイプを用法通りに使った後に卵と思われるものを爪で挟んでプシュとつぶ

れなくなり、かゆみもなくなっていれば薬を使い続ける必要はないと考えられま

す。毛に固着した卵の殻は、製品についているくしでこまめに毛をすいて取り除

けば、すっきりした感じがえられます。

 

  Q2.殺虫剤を子供に使うのは心配なのですが(妊娠中/授乳中なのですが)

  A. 添付文書に記載している用法・用量を守った使い方では、スミスリンが皮膚か

らほとんど体内に吸収されないという試験結果があります。

お子様、妊婦や授乳中の方に対する使用の制限は特に設けてありませんが、本        剤を口などに入れることのないよう注意してご使用ください。

 

  Q3.アトピー性皮膚炎なんですが使ってもいいでしょうか。

  A. スミスリンがアレルギーをおこすかどうかを調べる皮膚感作試験をモルモット     で行いましたが結果は陰性でした。しかし、ご相談の方のアトピー性皮膚炎に影響がないとは断言できませんので、投与前にかかりつけの医師に相談してください。

 

  Q4.毛の下の皮膚をかいて血がでて(かさぶたができている)いるのですが使えますか。

  A. こういった状態を想定して、損傷皮膚における刺激性試験を動物(ウサギ)を用いて行っておりますが、特に刺激性は認められないという結果でした。

     なお、傷面がはっきり分かるものであれば医師に相談してください。傷の治療を行った後でシラミの駆除に対応してくださるでしょう。

 

  Q5.アタマジラミはプールでうつりますか。

  A. プールの水の中に入ると、シラミは毛から落ちないようにしっかり毛につかまる習性をもっているといわれています。プールの中でうつることはまずありえないと考えてよいでしょう。

     ただし、脱衣の際に髪の毛から脱落したシラミでうつされないように、脱衣かごやロッカーを別々にするとか、髪の毛を乾かすためのスポーツタオルの使い廻しをしないなどの注意が必要でしょう。

 

スミスリンシャンプーの販売ページはこちら→

スミスリンパウダーの販売ページはこちら→




三牧ファミリー薬局